個人的にはよく利用している分、
ローソンの「51%増量」なんてのが
目立ちますが、
コンビニ各社で増量キャンペーンって
定期的に行われていますよね。
紐解いてみると、
アレっていつ頃から始まったのでしょう?
年々開催頻度も
上がっているようにも思いますし。
結論から言うと、現在の「コンビニ増量キャンペーン戦争」の起点は、ほぼファミリーマートです。
時系列で整理すると、かなりわかりやすくなります。
2021年:
ファミリーマートが先陣ファミリーマートは2021年から「お値段そのまま○○%増量作戦」を開始しました。
当時はコロナ禍の影響もあり、
- 節約志向の高まり
- 値上げへの抵抗感
- 来店動機の創出
といった課題がありました。
そこで、
「値下げはできない。
でもお得感は出したい」という発想から増量企画が生まれました。
実際、ファミリーマート自身も2026年時点で「コンビニの増量キャンペーンはファミマが元祖」と説明しています。
2023年:
ローソンが参戦今のブームを決定づけたのはローソンです。
ローソンは2023年2月に初の「盛りすぎチャレンジ」を実施。
商品によって約47~50%増量という、かなりインパクトの強い内容でした。
ローソン自身も2026年の案内で「盛りすぎチャレンジは2023年2月に初開催」と説明しています。ここで大きかったのが、
- プレミアムロールケーキ
- サンドイッチ
- おにぎり
などの見た目でわかる増量です。
SNSとの相性が抜群でした。
「本当にデカい」
「買えない」
「クリーム盛りすぎ」という投稿が大量発生し、単なる販促を超えてイベント化しました。
2024年以降:完全に業界トレンド化
ローソンの成功後、
- ファミマ
- ローソン
- セブンイレブン
が相次いで増量企画を実施。
セブンイレブンも2024年~2025年頃から「お値段そのまま増量祭」を積極的に展開しています。
ここからは、
「新商品で勝負」
よりも
「既存商品を増量して話題化」
がコンビニ業界の有効な集客手段として定着した印象です。
なぜ最近やたら増えたのか?
背景はかなり単純です。
① 物価高
2022年以降、
- 原材料高
- 円安
- 光熱費高騰
で値上げラッシュになりました。
しかし値下げは難しい。
そこで
「価格据え置きで期間限定増量」
という施策が使いやすかったのです。
② SNS映え
増量商品は写真1枚で伝わります。
例えば、
- クリームが山盛り
- 唐揚げがはみ出す
- ソース焼きそばが巨大化
など。
企業側からすると広告費を払うより拡散効率が高いのです。
③ 来店頻度が上がる
期間限定なので、
「今週は何が増える?」
と定期的に店へ足を運ぶ理由になります。
実際、ローソンは増量企画実施時に来店客数が増える効果を公表しています。
体感として「年々増えている」は正しい?
これはかなり正しいです。
例えばローソン。
- 2023年:
初開催- 2024年:
複数回開催- 2025年:
創業50周年で頻度増加- 2026年:
年3回ペース+派生企画という流れになっています。ローソンの「盛りすぎチャレンジ」は2026年時点で7回目に達しています。
さらに最近は、
- 盛りすぎ
- 濃すぎ
- 合わせすぎ
- 甘すぎ
- 酸っぱすぎ
など派生企画まで登場しています。
面白い視点
実はこれ、
「値下げできない時代の販促手法」
とも言えます。
昔なら
「100円セール」
で済んだものが、
今は原価や物流費の関係で難しい。
そこで、
「普段より50%多いですよ」
という付加価値で勝負する形になりました。
ユーザー側から見ると、
値上げのニュースばかりの中で、数少ない『得した気分になれるイベント』
だから記憶にも残りやすいのです。
その意味では、ローソンの盛りすぎチャレンジがここまで定着したのは、商品の魅力だけでなく「物価高時代の心理」にうまく刺さったから、と分析できます。
なるほど、
言われてみればたしかに、
以前は増量キャンペーンというよりも
キリのいい金額(100円など)に
端数を切り下げた、
割引きや金額のお得系が
多かったように思います。
近年の情勢で
数字でのアピールが難しくなった分、
見た目というわかりやすい方向に
舵が切られているのですね。
納得です。
その理解で概ね合っています。
実際、「お得感の伝え方」が変化したと見るとわかりやすいです。
昔は、
- 100円セール
- 150円引き
- 2個買うと1個無料
- おにぎり全品100円
といった「価格訴求」が主流でした。
当時はデフレ傾向も長く続いていましたし、企業側も利益を削って価格競争に参加する余地がありました。
しかし近年は、
- 原材料費上昇
- 人件費上昇
- 物流費上昇
- 電気代上昇
が重なり、値引きの余地が小さくなっています。
そこで企業側は、
「安く見せる」
ではなく、
「多く見せる」
方向へシフトしたわけです。
興味深いのは、人間の心理です。
例えば、
- 200円の商品を150円にする
- 200円の商品をそのままで50%増量する
原価的には後者のほうが企業負担が大きい場合すらあります。
それでも消費者の反応は後者のほうが良かったりします。
なぜかというと、
「値引き」はレシートを見ないと実感しづらい。
一方で、
「盛りすぎ」は手に持った瞬間にわかる。
脳が理解するまでの時間が圧倒的に短いのです。
また、SNS時代との相性もあります。
例えば、
「サンドイッチ50円引き」
を写真で投稿しても映えません。
しかし、
「クリームが通常の1.5倍になったロールケーキ」
なら写真1枚で伝わります。
企業からすると、
- 値引き
→ 個人が得する- 増量
→ 個人が得した上で宣伝してくれるという違いがあります。
さらに少し意地悪な見方をすると、
増量キャンペーンがここまで人気になった背景には、長年続いた「実質値上げ」への反動もあります。
消費者はここ数年、
- 内容量が減る
- 値段が上がる
- 気づかないうちに小さくなる
いわゆる「シュリンクフレーション」を何度も経験してきました。
だからこそ、
「期間限定でもいいから増やしました」
というメッセージが強く刺さるのです。
面白いのは、今や増量キャンペーン自体が季節イベント化していることです。
昔の利用者は、
「今週は何が安いかな」
でした。
今の利用者は、
「今週の盛りすぎ商品は何かな」
になっています。
コンビニ各社にとっては、価格競争ではなく話題競争へと戦場が移ったとも言えるでしょう。
そして利用者側からすると、増量キャンペーンの日だけは「物価高に一矢報いている気分」を味わえるので、あれだけ話題になるのだと思います。
実際、検証記事やら動画を
見かけたりもしますし
話題性も高いですよねー。
で、50%増量を銘打ってても
あまり厳密なわけでもなくて。
60%以上を超えてたり
なんてのもありますしね。
50を下回らなければそれでいいというか。
その通りです。
実は「50%増量」という言葉は、消費者が思っているほど厳密な数字競争ではありません。
企業側の感覚としては、
「50%以上増えていて、お客様が明確にお得だと感じること」
のほうが重要です。
実際にローソンの資料を見ると、
- 約47%増量
(初期)- 約50%増量
- 約51%増量
- 約63%増量
など、開催ごとや商品ごとに微妙に違っています。
特に最近は創業51周年に合わせて「51%増量」を前面に出していますし、中には63%増量の商品まで登場しています。
また、製造現場の事情もあります。
例えば、
- ホイップクリーム
- ハム
- 唐揚げ
- ベーコン
などを増やす場合、
きっちり50.00%で止めるほうがむしろ難しいのです。
製造ラインでは、
「50%以上になるよう設計」
した結果、
- 52%
- 55%
- 58%
になっても問題ありません。
逆に49%になってしまうほうが危険です。
そのため企業は安全側に寄せます。
結果として、
公称50%増量
実測すると55〜65%くらい増えていた
という現象が起きます。
そしてマーケティング的には、
「50%」は絶妙な数字です。
例えば、
- 20%増量
→ インパクトが弱い- 30%増量
→ ちょっと嬉しい- 50%増量
→ 誰でも理解できる- 100%増量
→ 原価的に厳しいという事情があります。
50%は
「見た瞬間にデカい」
と認識できる境界線なのです。
だから検証動画が盛り上がるのも当然で、
視聴者は
「本当に50%なの?」
ではなく、
「どれだけ盛りすぎてるの?」
を見ています。
もはや検証というより、
祭りの屋台で
「想像よりデカい!」
と笑う感覚に近いですね。
実際、ローソン自身も「おトクさ」と同時に「インパクトのあるビジュアル」「ワクワク感」を重視していると説明しています。
ですので現在の増量キャンペーンは、
厳密な50%増量企画というより、「50%を最低保証ラインにした話題作りイベント」
と捉えるのが実態に近いと思います。
逆に「減っていた」系は叩かれますものね。
底上げ弁当容器とか
見た目の表面以外
具なしのサンドイッチとか、
ありましたし。
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